減量の知識・ガイドライン

1. レスラーにとって望ましくない減量とは?

成長期にあるジュニアレスラーに最も重要な減量の知識

 レスリング競技で国内外問わず問題視されている減量方法に「1 週間程度での急速減量」があります。一般に、1 週間程度の短期間で急激に体重を減少させる(減量)ことは、からだに悪い影響をもたらすと考えられています。さらに、海外のレスラーでは、このような無理な激しい減量により死亡した事例も報告されています。
 とくにジュニアレスラーは成長期に体格が大きく変わるため、日ごろから体重管理や食事のとり方を「意識」した競技生活を送ることが大切です。

「計量のための減量」から「試合のための減量へ」

<ドーピングについて>

レスラーが減量を目的に利尿剤*などを用いることはドーピング行為として禁止されています。
ドーピングは自身のからだに害を及ぼすだけでなく、スポーツマンシップの精神に反する行為です。

*利尿剤:利尿剤とは、尿の排出をうながす薬で、からだから水分が出ていくことで減量につながるが、水分が出すぎて、からだに悪い影響を与えます。したがって、スポーツではその使用がドーピングとして禁止されています。

 

2. ジュニアレスラーにおける1週間程度での急速減量に関する安全指針

安全に、効果的に減量をすすめるガイドライン

ジュニアレスラーが健康的な競技生活を送るためには、日ごろから体調管理を行うことが大切です。とくに、1 週間程度での短期間の急速減量は、身体機能に悪い影響を与えるため、長期的な視点から体重を管理する必要があります。
 また、成長段階にあるジュニアレスラーは、個人差や発育発達度も異なることを考慮し、試合に向けた減量を行うための下記の指針を1 つの目安にして、安全で効果的な減量をすすめる必要があります。

短期間の急速減量による体重減少率

「急速減量」から「ゆるやか減量」への基本的な考え方