レスリング

1. 一貫指導システムとスポーツ医科学情報の活用

レスリング協会におけるNTSとは?

2001年にスタートした日本レスリング協会ナショナル・トレーニング・システム(NTS)は、ジュニア世代からシニアへの一貫した指導体制に基づいたアスリートの育成・強化を実施するためにつくられた制度です。

 現在では、合宿を全国6ブロックに分け(北海道・東北、関東、東海・北信越、近畿、四国・中国、九州)、ナショナルチームコーチとトップアスリートが各ブロックで研修指導を行っています。さらに、6ブロックの研修会に参加したジュニアアスリートと主要全国大会上位入賞者の中から優秀なアスリートを発掘し、毎年2月に中央研修会として味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)に招集し、トップアスリートとしての心構え、技術、実践、講義、体力・形態測定を交えた研修を実施しています。また、20歳以下、および学生代表選手に関しても同様にNTCに招集し、各世代をトップアスリートへと育成・強化する総合的なシステムとなっています。ロンドンオリンピック・レスリング日本代表選手男子9名は、すべて2001年にスタートしたNTSを経験しており、長期的な視点に基づいた育成・強化が行われています。

一貫指導システムとは?

 一貫指導とは文部科学省が策定した『スポーツ振興基本計画』と日本オリンピック委員会の『JOCゴールドプラン』に則り、スポーツに初めて出会うジュニア期からトップレベルに至るまですべての過程で個々の競技者の特性や発育・発達段階を適切に把握し、それぞれの段階に応じた最適なトレーニングを行うことによって、競技者の有する資質・能力を最大限に引き出し、最終的に世界レベルで戦える競技者に育成・強化すること、さらには、その過程で競技引退後のセカンドキャリアにも配慮した指導を行うことである。

2. フェアプレーの精神

スポーツマンシップとは?

フェアプレーとは、「(1)運動競技で、正々堂々たるふるまい。(2)公明正大な行為・態度。(広辞苑第六版より)」と示されています。スポーツにはルールがあります。アスリートはルールに基づいて互いに競い合い、高め合うことが求められおり、それがスポーツマンシップです。

<オリンピズムの精神>

 レスリング大会の開会式では、必ず選手宣誓があります。そのなかでは常に、スポーツマンシップの精神が述べられています。オリンピックの理念においてもスポーツマンシップの精神が示されています。一流のレスラーになるためには、マット以外でも常に一流の行動をとることが求められています。

『オリンピズムは、肉体と意志と知性の資質を高揚させ、均衡のとれた全人のなかにこれを結合させることを目ざす人生哲学である。オリンピズムに求められるのは、文化や教育とスポーツを一体にし、努力のうちに見出されるよろこび、よい手本となる教育的価値、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重などをもとにした生き方の創造である』(オリンピック憲章 根本原則より引用)

3. オリンピズムとレスリング

オリンピックの価値とは?

2020年のオリンピック・パラリンピックの開催地として東京が選ばれました。オリンピックとは、4 年に一度開催される世界のスポーツの祭典です。またオリンピックには、オリンピズムといわれる理念があり、『オリンピック憲章』に記載されている「オリンピズムの根本原則」があります。オリンピックの創始者であるピエール・ド・クーベルタンの願いは、スポーツを人間の調和のとれた発達に役立てることが、平和な社会(世界)を築くことにつながるというものでした。オリンピックの理念は、世界平和、スポーツの普及、競技的精神などを広めていくことです。

<オリンピックの理念>

・世界平和
・スポーツの普及
・競技的精神

国際オリンピック委員会(IOC)は、オリンピックの価値を卓越性、友愛、尊重という3 つのキーワードで表し、オリンピック選手に限らず、世界中のすべての人々にその理念を理解してもらうための活動をしています。

<オリンピックの価値>

・卓越性( Excellence)
・友愛(Friendship)
・尊重(Respect)